浴衣コーデの最後の決め手は鼻緒!こだわり浴衣美人の下駄選び

浴衣コーデの最後の決め手は鼻緒!こだわり浴衣美人の下駄選び

浴衣でお出かけしよう♪と思ったら欠かせないものが下駄!
いつものサンダルでも悪くはないけれど、せっかくなら下駄の方が浴衣の雰囲気が出て素敵ですよね♪ 今回は下駄の選び方で、ぜひ知っておいていただきたいことをお伝えします。

シンプル派?個性派?鼻緒選びこそ「好き」で選ぶ♪

下駄選びでまず目に行くのが鼻緒ですよね。鼻緒にもいろいろな柄があっていざ買おうとすると迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

下駄の鼻緒は装い全体の中で面積が小さいアイテムで、しかも会うお相手からも自分自身からも視点が一番遠いポイント。だからこそ鼻緒の柄は、思い切った個性的な柄を選んでも意外と大丈夫なのです。

例えば…
こちらの鼻緒は妖怪の柄。
よく見るといろいろなコがいるとわかるのがおしゃれですね!!

そしてこちらはアフリカ布を使った鼻緒。
白木の台にアフリカ布のぱっきりとした色が映えます。

こちらの黒地に白の鼻緒は、何柄に見えますか?

この鼻緒は黒地に白ドクロの柄なのです。「何柄?」「ドクロ柄なの♪」「えぇーー!!」という会話が楽しい♪

猫柄、千鳥柄、お相撲さん柄…など鼻緒だけでもいろいろな柄があります。買うときには手に持って「これは派手かなぁ…」「さすがに個性的すぎるかなぁ」と思っても、実際に履いてみると意外とどんな浴衣やきものにも合います。鼻緒こそぜひ思い切り「好き!」なものを選んでみてくださいね!

下駄は浴衣専用…ではないんです!

女性の和装履物には草履と下駄があるわけですが、そもそも下駄と草履、違いは何でしょう?

下駄と草履、大きな違いは素材です。
草履はコルク材の台に革や布を貼った台に、鼻緒をつけたもの。
下駄は桐や杉など木の台に、鼻緒をつけたもの。
TPOでは、木の台そのままな下駄の方が、草履よりもカジュアルになります。

下駄は浴衣に合わせるイメージがありますが、カジュアルな和装履物として、下駄は一年間いつでも履くことができるもの。普段着の小紋や紬を着るときには、足袋を履いて、下駄を合わせます。気軽なスニーカーやぺたんこ靴のようなイメージですね。下駄の台の色にもいくつもあって、木のナチュラル感を大事にしたものから、パッと見ただけでは下駄か草履かわからない黒塗りのものまで様々。

また、下駄は雨の日でも履ける、というメリットがあります。
草履の台の中はコルクなので、雨の日や濡れた場所を歩くと、鼻緒を通した底裏の穴から水が浸み込んで台をダメにしてしまいます。だから、草履は基本、雨の日は履いてはいけないのですね。

ですが下駄は木製なので、台は濡れても大丈夫。鼻緒が濡れてしまうほどの大雨の日に履くのは避けますが、ちょっと雨が降るかもしれないというときにもとても便利です。きものビギナーさんが一足めの履物を選ぶなら、浴衣はもちろん一年中たくさん履ける下駄を選ぶのがおすすめです。

和装履物は挿げて挿げ直して、長く履き続けるもの

下駄や草履に鼻緒をつけることを「挿(す)げる」と言い、これをしてくださる方が挿げ職人さんたちです。「挿(す)げる」とはもともと、糸・緒(細ひも・糸のこと)などを穴に通すことをさす言葉です。

下駄を履くと足が痛いんじゃないか、と心配される方がたくさんいますが、それは足に合っていないから。鼻緒で靴擦れをつくってしまう大きな理由は、歩いているときに鼻緒が足の甲の上で擦れてしまうからなのです。つまり自分の足の高さや幅、カーブに合わせて、鼻緒がぴったり合っていることが痛くない下駄の条件。すでに鼻緒が挿げてある下駄を買うだけでは、自分の足に合っていないのは当然のこと!だから歩いているうちに痛くなるんですね…。

下駄は、買うときに自分の足に合わせて鼻緒を挿げてもらうものなのです。
そして、履いているうちにだんだんと鼻緒が緩んでくるので、緩んだらまた挿げ職人さんの元に伺って、挿げ直して鼻緒を調節してもらうものなのです。

さらに、下駄の台はそのままに、鼻緒だけを新調して挿げ直していただくこともできます。浴衣用に夏は麻素材の鼻緒や、金魚柄を選んで、秋になったら鼻緒を秋冬向けに変えてみた李。鼻緒を変えただけでガラリと雰囲気が変わって、気持ち新たに楽しむことができます。
こうして下駄や草履は、調節して挿げ直して、5年、10年と長く履き続けられるものなのです。

ですので、下駄を買うときのポイントは二つ。
一つは、挿げ直して調整ができる下駄を買うこと。
挿げ直しができるということは、底裏に穴が空いていて、鼻緒の紐の結び目が裏にあること。履くときには底でフタをしてくれています。底に穴が空いていない場合は、調整ができないので、鼻緒が緩んだらおしまいという消耗品なのです。

もうひとつのポイントは、挿げ職人さんがいらっしゃる和装履物の専門店を知っておくこと。できれば買うときから、職人さんがいらっしゃる専門店に伺うのことがベストです。

私がオススメするのは東京都内でしたら、浅草の辻屋本店さん。
東京以外でしたら、全国をご夫妻で回っていらっしゃる黒田商店さん。

挿げ職人さんは少なくなったとはいえ、続けてくださっている方がいるので、どんどん下駄や草履のことを相談して頼りましょう!^^

上杉 惠理子

『和創塾〜きもので魅せる もうひとりの自分〜』主宰。 ぽっちゃり体型と黒い服ばかり着るファッションセンスの無さという外見コンプレックスを、きもので解消し、きものの魅力にのめり込む。ひとりひとりの魅力を引き出す最強の自己表現ツールとして、きものの選び方やコーティネート、着方などを提案している。

上杉 惠理子
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