浴衣ビギナーさんでも簡単♪一枚の浴衣でコーディネートを楽しむポイント

浴衣ビギナーさんでも簡単♪一枚の浴衣でコーディネートを楽しむポイント

いよいよ7月に入り夏本番!
「今年の夏こそ浴衣を着たい!」「今年は昨年よりももっとたくさん浴衣を着たい!」と思っていませんか?
ではどうしたらもっと浴衣を着る機会が増えるのかと言うと…もっと着たくなるいろいろなコーディネートができることが近道なのです。
この記事では、浴衣ビギナーさんでも簡単に着回しパターンを増やすことができる、浴衣のコーディネートのコツをお届けします。

数年前の浴衣だって、帯で生まれ変わる

数年前の浴衣だって、帯で生まれ変わる

「今年こそ浴衣を着たいけれど、何年も前の浴衣しか持っていない…」「浴衣を新調するのは大変…」と思っていませんか?
浴衣を選ぼうとすると、浴衣そのものをまず選ぼうとする人がほとんど。ですが、実は浴衣でもきものでも、和装のコーディネートの<要>は帯にあります。

昔からきものの帯合わせについて、こんな言葉が言われてきました。
「きもの一枚に帯三本」
数年前の浴衣、いえ、お母さんの数十年前の浴衣でも、帯を変えるだけで、浴衣やきものの雰囲気はガラリと変わります。
浴衣やきものに対して、帯の面積はぐっと小さいもの。面積の比率が全く違うため、洋服ではなかなかできない色合わせができるのが和装の特徴です。そして、帯の面積が狭いからこそ、帯を主役にするだけで、見る人の目線がぐっと帯に集まるので、浴衣やきものの印象までもガラリと変わるのです。

それでは数年前の浴衣を生まれ変わらせる帯選びのポイントを、まずは2つご紹介しますね。

一つはモダンなキレイ色の半幅帯を選ぶこと。
レモンイエロー、マゼンダ、ワインレッド、ターコイズ、ロイヤルブルー…和の伝統色にとらわれず思い切ってモダンなキレイ色の半幅帯に変えると…あら不思議!
昔の浴衣でも、古典柄の浴衣でも、ガラリと雰囲気が変わり、一気に垢抜けます。

浴衣を生まれ変わらせるもう一つは、キラリと光るポイントを入れること。
つまり、半幅帯を締めた上に、帯留を通した帯締めを締めることです。浴衣で選びたい帯留は、トンボ玉やスワロフスキーなど小さくてキラッと光るものがオススメです。まるで細いネックレスのように、装い全体に輝きをプラスしてくれます。帯留を入れるときに使う帯締めは、三部紐または二部紐という細く平らな帯締めを使いましょう。細く平らな帯締めは、繊細なおしゃれ感を演出してくれます。

浴衣そのものを新調するよりも、帯と帯留だけを買うだけなら予算も少なくて済みます。まずは手元にある浴衣を生かして、コーディネートを楽しんでみてくださいね!

幅広いTPOに対応する、浴衣ときものの違いを押さえよう

さて、ここで質問です。
「浴衣ときものの違いは何でしょう?」
浴衣はもともと、平安時代の貴族が蒸し風呂に入るときに着ていた湯帷子(ゆかたびら)が起源と言われます。江戸時代になって日本国内で木綿の生産が始まり、江戸や大坂などの町人の間に木綿の浴衣が広まります。浴衣は銭湯での湯上りや銭湯への行き帰りに着るものでした。そのような経緯があるので、浴衣はもともととてもカジュアルなもの。
「浴衣は夏の夕方15時以降に着るものだ!」と、おっしゃる年配の方もいらっしゃいます。

浴衣スタイル

ですが現代では、これは浴衣、これはきもの、とはっきり分けられるモノではなくなりました。
浴衣かきものかの違いは<着方のスタイルの違い>になっています。
<浴衣スタイル>は、浴衣を一枚で着て半幅帯を簡単に締めて素足に下駄。一方、<きものスタイル>は同じ「浴衣」でも、中に長襦袢(ながじゅばん)を着て、内側に半衿を見せます。そして足元は素足でなく足袋を履きます。浴衣売場に行ったときにスタッフの方が「この浴衣は長襦袢を中に着れば、きものとしても着られますよ」とよくおっしゃるのは、このことなのです。

着物スタイル

<浴衣スタイル>よりも、<きものスタイル>の方がランクアップになり、よそ行きになります。洋服で例えるなら、<浴衣スタイル>はTシャツ&ジーパンに素足でビーチサンダルの感覚。花火大会や夏祭り、地元の商店街をぶらぶらしたり、顔なじみの居酒屋さんで飲んだり…そんな気軽なシーンにぴったりの装いになります。
同じ浴衣でも<きものスタイル>で半衿をプラスして足袋を履くと、ワンピースとおしゃれサンダルなよそゆきの印象にレベルアップします。
<きものスタイル>ならちょっとおしゃれなレストランや美術館・コンサートなど「浴衣だとカジュアルすぎるかなぁ」と心配になる場にも安心して行けます。
(とはいっても、<きものスタイル>でも浴衣は浴衣なので結婚式など儀式や大きなイベントには失礼に当たるので控えましょうね。)

<浴衣スタイル>と<きものスタイル>
どちらのコーディネートもできれば、着る機会は一気に広がりますよ♪


洋服ではシンプルなモノトーンの服を選びがちな人も、浴衣なら洋服ではなかなか選ばない色や柄のものを身にまとうことができます。
浴衣を楽しみながら、ぜひいつもと違った自分を発見してみてくださいね!

上杉 惠理子

『和創塾〜きもので魅せる もうひとりの自分〜』主宰。 ぽっちゃり体型と黒い服ばかり着るファッションセンスの無さという外見コンプレックスを、きもので解消し、きものの魅力にのめり込む。ひとりひとりの魅力を引き出す最強の自己表現ツールとして、きものの選び方やコーティネート、着方などを提案している。

上杉 惠理子
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