オアシスのように涼しい「糺の森」を抜けて世界遺産・下鴨神社へ~真夏の京都さんぽ<前編>~

オアシスのように涼しい「糺の森」を抜けて世界遺産・下鴨神社へ~真夏の京都さんぽ<前編>~

厳しい暑さで知られる京都の夏。「観光でいろいろな場所へ出かけてみたい」とは思っても、暑さに負けそうになることもありますよね。
浴衣や着物でお出かけされるなら、なおさら涼しい場所を選びたくなるもの。そこで今回は、街なかにありながら涼しく過ごしやすい「下鴨神社」をご紹介します。

京都一の歴史を持つ下鴨神社

下鴨神社は観光の中心地でもある祇園から電車で一本、京阪出町柳駅のそばにあります。京都でもっとも古い歴史を持つ神社とも言われ、世界遺産にも指定される由緒正しい神社です。京都観光をする方にはぜひとも一度は訪れていただきたいところ。
京阪電車を利用した場合は、出町柳駅を下りて西へ向かいましょう。高野川と賀茂川が合流する通称「鴨川デルタ」で水遊びをする子どもたちを眺めながら橋を渡ると、その先が神社の入り口です。広大な面積の糺の森を抜けると見えるのは大きな朱塗りの鳥居。その鮮やかさにはハッとさせられます。
ちなみに、糺の森を入ってから本殿までは距離が遠くけっこうたくさん歩きます。浴衣や着物でお出かけの方は、草履や下駄を履きならしておいてくださいね!

縁結びで有名な「相生の社」で絵馬を奉納

鳥居のすぐ手前にあるのが「相生の社(あいおいのやしろ)」。このお社には2本の木が一体化した不思議な木「連理の賢木(れんりのさかき)」がご神木として祀られていいます。
こちらにあやかって「縁結び」のご利益があるとされ、小さなお社ですが祈願する若い女性たちが絶えず訪れています。
祈願の際には絵馬を奉納するとさらにご利益を授かれるとか。奉納するときはお社の周りを3周回る間に絵馬掛けにくくりつける、という手順があるのでそれにならって祈願してみてくださいね。

また、こちらで授与される女性のための御守り「媛守(ひめまもり)」は一つひとつ柄の異なるちりめんの生地で作られていて、かわいいと評判!持っているだけでも女性らしさがアップするような気持ちの上がる御守りです。ちなみに男性用の「彦守(ひこまもり)」は御守りには珍しいデニム素材でできているんですよ。

原生林が生い茂る避暑地「糺の森」

神社の参道は深い木々で覆われていますが、こちらは「糺の森」と呼ばれています。こちらの森はなんと、縄文時代から存在していたと言われる原生林。樹齢600年にもなる木もあり、植物の生態系を調べる上でもとても重要な場所と聞きます。
森を入ると大きな木で日差しがシャットアウトされるので、真夏の昼間でも涼しく浴衣で歩いていても暑さをそれほど感じません。体感温度では2~3度下がるとも言われています。また、深い緑と森の中をさらさらと流れる小川は癒し効果絶大で、穏やかで清々しい気持ちになります。
厳かな雰囲気がある一方で、小川では近所の子どもたちが水遊びをする姿も…。ここ数年で観光客があふれかえっていると言われる京都の名所も、地元の人にとっては大切な憩いの場であるのがよくわかります。

期間限定開催!チームラボのイベントにも注目

引用元: 下鴨神社 糺の森の光の祭 Art by teamLab

伝統のある下鴨神社ですが、最近では新しい取り組みも増えています。季節を問わず観光客が国内外より訪れることに対応できるよう、タッチパネル画面を使った案内板をいち早く取り入れているのも下鴨神社。
また、2019年8月には期間限定で「teamLab(チームラボ)」がプロデュースするイベントが開催されます。自然の森に光や音といったデジタルな物が溶け込む空間は幻想的で夢の中にいるよう。チームラボのイベントは3年前にもこちらで行われていますが、連日大盛況でした。今年も混みあいそうですので、混雑覚悟でお出かけくださいね!

下鴨神社 糺の森の光の祭 Art by teamLab

自然豊かな下鴨神社は涼しく過ごしやすい

街なかからも近い下鴨神社。真夏でも涼しく過ごせるので、夏のお出かけにはぴったり!青々とした緑を求めて、ぜひお参りしてみてはいかがでしょうか。後半の記事では、門前名物のご紹介もします!ぜひ合わせてごらんくださいね。

おくむらかなこ

関西在住のライター。ビンテージファッションが好きで、その延長として着物も普段着として楽しむように。大胆な色柄が多い昭和初期のアンティーク着物が特に好み。京都のガイドブックや情報誌の編集・ライターをしていたことから、京都の文化やグルメにも詳しい。

着物ライター おくむらかなこ
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