祇園祭の山鉾巡行 じっくり見たらこんなに楽しい!

祇園祭の山鉾巡行 じっくり見たらこんなに楽しい!

祇園祭といえば「宵山」の歩行者天国のイメージが強いかもしれません。でも、山や鉾が京都の街なかを練り歩く「山鉾巡行」も一度は見て頂きたいもの。
7月17日の前祭では23基、24日の後祭では10基の山鉾が京都の中心部をゆっくりと列をなして進みます。鉾の上ではお囃子が奏でられ、やさしくて雅な音色が響きます。

息をピッタリ合わせて行なう「辻回し」は見逃せない

一番の見どころは「辻回し」と呼ばれる角を曲がるときの方向転換。山鉾に付いている車輪は方向転換できないため、大勢の人が綱を持って一斉に引っ張ります。車輪の下に竹を何本も敷くことで滑りやすくはしているものの、大きいものでは1トンを超える重さがあるのでそう簡単にはいきません。

単に人数をかければいいというわけではなく、「ヨーイトセー」と音頭を取る人、音頭に合わせて引っ張る人、全員のタイミングを合わせることが重要。観客にもこのときばかりは緊張感が走りますが、成功した後は大歓声が湧き起こります!

辻回しが見られるのは、四条河原町、河原町御池、四条新町の3つの角。この辺りは特に混みあいますので、前の方で見たいなら早めに行かれることをおすすめします。

カマキリにお茶会…じっくり見ると、山鉾巡行はとってもユニーク!

お祭りというと威勢のいい掛け声や大きな太鼓の音など、活気に満ちたものを想像する人は多いでしょう。お囃子はあるものの、ゆっくりとした足取りの山鉾巡行は初めて見る人からは「迫力がない」「見どころが分からない」という声も…。しかし、個性的な山鉾や子どもたちによる舞など、よく見るとたくさんの発見があっておもしろいですよ。

山鉾でぜひ見ていただきたいのが「蟷螂山(とうろうやま)」。蟷螂とはカマキリのことで、山に乗った大きなカマキリのからくり人形がカマを動かしながら進むので、小さなお子さんにも大人気です。

また、菊水鉾では巡行の途中にお茶のお点前が披露されます。辻回しのために隊列が立ち止まるタイミングで、隊列の中の人がお茶を点てるのです。巡行しながら担いで運んでいる「担茶屋(にないじゃや)」と呼ばれる大きな箱の中から釜や茶碗など、お点前に必要なものを取り出し、手際よくお茶を点てる様子には見とれてしまいます。

山鉾巡行を見物するなら、同じ個所でなるべく長い時間見てそれぞれの個性を見つけてみると楽しめますよ!

炎天下の京都は「暑さ対策」が楽しむためのキーワード!

7月の京都は、とにかく暑い!しかも山鉾巡行は日中に行われますので、暑さや日差しへの対策が必須です。まず、暑さの対策ですが、浴衣の下に着るインナーを夏用に変えてみましょう。と言っても、和装用のものをわざわざ購入する必要はなく、ファストファッションのお店で買える冷感効果、吸湿速乾性のあるタンクトップやキャミソールでOK。カップ付きのタイプなら、和装ブラも省くことができます。

吸湿速乾性のある素材だと汗による不快感も軽減されます。淡い色の浴衣だとインナーが透けてしまうので、ベージュなど透けにくい色を選んでくださいね。
なるべく薄着でいたいからと、タオルで補正せずに着るのはおすすめしません。体に凹凸があるまま着ると、着崩れの原因にもなってしまいます。

うちわや扇子を帯に挿しておくと、見た目にも涼やかです。うちわなら背中に、扇子なら前面に挿すのが一般的。また、山鉾巡行の見物はとても混みあいますので、日傘を使いたいときは危険のないよう周囲に配慮してくださいね。

まとめ

「コンチキチン」の音色とともにゆっくりと進む山鉾巡行はとても風情があり、京都らしい雅なお祭りです。特に前祭は大変混雑しますが、じっくり見るととても楽しめますよ。
例年、この時期は梅雨明け前後ですので、天気予報をチェックして、暑さには十分気を付けてくださいね!

おくむらかなこ

関西在住のライター。ビンテージファッションが好きで、その延長として着物も普段着として楽しむように。大胆な色柄が多い昭和初期のアンティーク着物が特に好み。京都のガイドブックや情報誌の編集・ライターをしていたことから、京都の文化やグルメにも詳しい。

着物ライター おくむらかなこ
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