いざという時にも知っておきたい日本の伝統衣装「着物」は、知れば知るほど奥深い魅力的な世界が広がっています。
そして今回取り上げるのが、卒入学シーズンなどでもよく耳にする「訪問着」という着物についてです。
訪問着って、「名前は聞いたことがあるけどイメージがあまり湧かない」という方も案外多いのではないでしょうか。パーティーや結婚式などのイベントでも訪問着が一つあるだけで大活躍しますし、急なお呼ばれのときには「訪問着をレンタル」も利用できるので覚えておいて損はないはずです。
それでは早速、訪問着という着物の基本情報や着物レンタルとの関係性についていくつかご紹介します。
よく聞く「訪問着」ってどういう着物?
ファーマルなシーンで大活躍する着物といえば、今回注目している「訪問着」が有名です。
「聞いたことはあるけど他の着物との区別が付かないし、そもそも種類なんてあるの?」と疑問に思われる方も多いようです。
以下では、訪問着にまつわる基本的な情報や知っておくと便利なことをいくつかご紹介します。
社交的な場面で大活躍の「訪問着」の着用シーン
訪問着は、結婚式やパーティー、お茶会、子どもの入学式や卒業式、ほかにも様々な式典などに及ばれたしたときに着る準礼装用の着物のことを指します。
未婚・既婚を問わず着ることができる着物であり、特徴としては肩から胸や袖にかけて一枚の絵のように「絵羽模様」がつながっているということです。また、紋が付いているかどうかで格式の高さが決まることがあるため、改まった席では紋を付けた訪問着を着ることが多くなります。
訪問着は季節ごとに種類を使い分ける
訪問着の種類は一つではなく、「季節ごと」に分けられた種類の着物を使い分けて着用するのが基本です。
たとえば、春や秋、そして冬の時期に着用する訪問着は裏地が付いている「袷(あわせ)」、6月~9月の時期には裏地が付いていない「単衣(ひとえ)」、一年で最も暑さが増す7月や8月には裏地がなく、風通しを優先した布地で作る「絽(ろ)」の訪問着を着用します。
着物を普段着としていた頃には季節によって絽の着物をよく着用していましたが、最近では室内でも空調効いていることから大半の場合が袷、暑い時期には単衣の訪問着を着ることが定番になっています。
訪問着と色留袖の違いってなに?
着物について色々と調べていると、「訪問着と色留袖の違いは?」と疑問に浮かぶ方も多いようです。
留袖は既婚女性が着る最も格式の高い着物のことをいい、さらに分けると黒留袖と色留袖があります。黒留袖はその名の通り黒で染めた留袖であり、既婚者が着用できる着物です。また、色留袖は黒以外の色で染められた留袖のことであり、既婚者に限らず未婚者でも着用できる留袖です。
では、訪問着と色留袖にどういった違いがあるかということですが、それは「柄や模様の違い」です。
訪問着には肩から胸や袖にかけて一枚つづりの絵羽模様が描かれています。一方、色留袖は胸の分部には柄がなく、裾周りに柄が描かれています。
また、「紋」が入っているか否かでこれら二つの着物を見分けられる場合があります。
訪問着はかしこまった場面でない限り、基本的には紋なしの着物を着用する場合が多いですし、紋が入れてあったとしても一つ紋(準礼装)の場合が大半です。色留袖の場合は、基本的には紋が入っているため、五つ紋であれば最上級の第一礼装、三つ紋や一つ紋は略礼装という格式になります。
訪問着をレンタルしてお得に着る!
訪問着を一枚持っているだけでも便利と言われることがありますが、着物は高価な衣装ですし、購入後には保管方法や保管場所など、アフターケアが何かと大変で敬遠される方も多いようです。
そこでおすすめしたいのが、「訪問着をレンタルしてお得に着る」ということです。
着物レンタルを効果的に利用すれば、敷居が高いと諦めていた着物を着てお子さまの入園式や卒園式などの式典に出席できます。
また、一度訪問着の魅力を実感した方の中には、その後も何度か機会があれば「もう一度訪問着を着たい」と思うものです。そういった時にも着物レンタルであれば毎回違った種類の着物を選ぶことができますし、急な用事が入ったときにも気軽に利用できて便利です。
訪問着一式を購入すると、車一台を購入できるくらいの費用がかかりますが、着物レンタルを効果的に利用すれば、購入したときに比べて半分以下の価格で訪問着を着ることができるのでおすすめです。
まとめ
今回ご紹介した「訪問着」は、色や柄、そして紋の有無など、どのような着用シーンを想定して着用するかによって選択肢はたくさんあります。そのため、その都度TPOを考えながら訪問着を使い分けると、より着物を魅力的に着こなすことができるでしょう。
着物レンタルであれば、初心者の方でも安心してご利用いただけますし、着物の世界のプロにアドバイスを受けながら「ふさわしい訪問着」を選ぶことができます。購入すれば高額な着物ですが、訪問着を着る機会が多い人にこそ、多様な種類から着物を選ぶことができる着物レンタルの利用をぜひおすすめします。